いとも美しき西洋版画の世界展
 開館以来、素朴派作品とともにジョルジュ・ルオーの銅版画シリーズをコレクションの要としてご紹介してきたハーモ美術館で、西洋版画の歴史をたどる展覧会を開催します。
マルティン・ションガウアー
《白鳥の盾をもつ貴婦人》1480-90年頃
マルティン・ションガウアー
 ヨーロッパの版画の歴史は、東方からの紙の伝来にともない14世紀末に始まり、15世紀には木版だけでなく銅版を用いた精緻な版画がつくられるようになります。
 
 宗教、文学、道徳、政治、寓意のほか、地理や宇宙、科学、自然、解剖学など、人間を取巻くあらゆる事象が取りあげられ、多くの版画家が紙の上に小さな宇宙を作り出しました。

 本展は、その西洋版画の歴史をたどり、15世紀に登場したドイツのデューラーをはじめ、16世紀フランドルのブリューゲル、17世紀オランダのレンブラント、18世紀スペインのゴヤ、19世紀のルドンやビアズリー、20世紀のピカソまで、各時代の代表的版画家の作品を一堂に会して展観するものです。

 西洋版画に魅せられたある個人コレクターが、50年の歳月をかけて築き上げた貴重なコレクションをたどる本展。

 いとも美しい線と形と不思議な寓意や逸話に満ちた版画の魅力を存分に味わえる、またとない絶好の機会が今ここにひらかれます。
ヘンドリック・ホルツィウス
《羊飼いの礼拝》1600年頃
ヘンドリック・ホルツィウス


オーブリー・ビアズリー
《孔雀のスカート(『サロメ』より)》1907年
オーブリー・ビアズリー
「いとも美しき西洋版画の世界」

2008年5月24日(土)〜7月27日(日)
休館日/6月14日(土)、7月12日(土)
開館時間/午前9時〜午後6時
会場/ハーモ美術館ティーセントホール

観覧料/一般700円 小中高校生300円

主催/財団法人ハーモ美術館
共催/信濃毎日新聞社
協力/ガレリア・グラフィカ、町田市立国際版画美術館
企画協力/株式会社アートプランニングレイ
ウィリアム・ブレイク
《サタンの失墜(『ヨブ記』より)》1825年
ウィリアム・ブレイク
▼展示作家▼

ションガウアー/デューラー/クラーナハ
アルデグレーファー/ブリューゲル
ホルツィウス/ルーベンス/レンブラント
カロ/ピラネージ/ホガース/ゴヤ/ブレイク
ドラクロワ/ドーミエ/メリヨン/ロダン
ルドン/ゴーギャン/ロートレック
クリンガー/ビアズリー/ムンク/クレー
カンディンスキー/マティス/ピカソ ほか
レンブラント・ファン・レイン
《宝章のついたヴェルヴェット帽をかぶり口ひげをたくわえた男の肖像》1637年
▼関連イベント▼

学芸員による作品解説
「版画を読むたのしみ」

・日時/6月8日(日)、6月22日(日)、
    7月13日(日)
・場所/ティーセントホール
・参加費/無料(ただしチケットをお持ちください)